風も段々と冷たくなってきた12月。そんな日に独りの少女の悲鳴が響き渡った。
「のわ〜〜〜!!」
自室をジタバタジタバタと駆け回る少女、・マスタング中佐。焔の錬金術師、ロイ・マスタングの妹。
「遅刻する〜〜〜!!!」
昨夜遅くまで研究に没頭していたは急いで身支度を整えた。
「兄貴!おはよう!!」
「おはよう。。
お前が寝坊するなんて珍しいな。」
先に起きていたロイは、朝食の準備をしていた。
「まぁな・・・
っと、早く行かなきゃ。」
「?今日は何処かに出かけるのか?」
「あぁ。大総統閣下から直々に『中央に来るように』って電話が入ったんだ。
・・・俺なにかしたかなぁ?」
そんな事を思いつつ朝のコーヒーを啜る。
「何も無かったら呼び出しなんて去されないだろう?」
「そうだけどさ・・・何か怖い・・・」
行きたくないなぁ・・・そんな事を呟く。
「で、列車の時間は調べてあるのか?」
「あぁ。9時30分の列車に乗れば余裕で間に合う。」
ロイはふと掛け時計を見つめた。
「・・・、今の時間ちゃんとわかっているのか?」
「9時前だろ?部屋で見たし・・・」
ロイに言われ、も掛け時計を見た。
その瞬間、彼女の顔色が変わった。
「9時過ぎてるし!!しかも30分近い!!」
また慌しく準備を始める。
そんなに呆れ、ロイは溜め息を吐いた。
「兄貴!行って来るな!!」
「早めに帰って来いよ。」
「わかってる!!」
は慌しく家を出て行った。
「・・・彼奴、今日が自分の誕生日だって事憶えていないのか?」
そんな疑問はには届かなかった。
|
Happy Birthday!in F.A |
お昼前に中央司令部についた。
「どうにか時間までには間に合った・・・ι」
駅から全速力で走ったはかなり息が上がっていた。
落ち着く為何回か深呼吸した後、は大総統の執務室に足を向けた。
部屋の前に着き、は数回ノックをした。
「・マスタングです。」
「おぉ、待っていたよ。入りたまえ。」
中から大総統の声がし、は控えめに扉を開けた。
「失礼します・・・」
何故呼び出されたか訳が解からず躰が強張る。
「そんなに緊張しなくてもいい。
さ、掛けたまえ。」
「はい。」
緊張も解けぬまま、はソファーに腰を下ろした。
「紅茶で良いかな?」
「あ、お気になさらずに。」
「いやいや、君の好きな紅茶が手に入ってね。是非飲んで貰いたいんだ。」
「では・・・お言葉に甘えて。」
満面の笑みで言われ、はそれ以上何も言えなかった。
暫くすると、大総統自ら紅茶を入れてきた。(ぇ
「さ、飲みたまえ。」
「はい。」
勧められた紅茶を一口、口に含む。
「美味しい。」
「良かった。喜んで貰えて光栄だ。」
「いえ・・・閣下も紅茶がお好きなんですか?」
前回も、今回も美味しい紅茶では聞いた。
「あぁ。私も紅茶通でね。目が無いんだ。」
ハハハと声をあげながら笑う大総統。
「今日は・・・何のご用件があって私をお呼びに・・・?」
訳も解からずまま、此処に居る事を疑問に思ったのか、は聞いた。
「憶えていないのかね?」
「いえ・・・私、何かしたでしょうか?」
不安げな目で大総統を見つめる。
「父の日にプレゼントを貰っただろう?
そのお返しがしたくてね。」
その言葉にはハッとした。
父の日のプレゼントをあげた時に、大総統が『誕生日、楽しみにしたまえ』と言った言葉を。
「そんな・・・いいですよ。(それにあの企画考えたの水無月だし・・・ι)」
そう遠慮がちには言った。
そこで引くような大総統ではない。(ぇ
「いやいや、受け取って欲しいんだ。
私が選んだ物だから君の趣味に合うかどうか・・・」
そう言ってに手渡したのは長い箱。
「そんな・・・私は閣下にお世話になっている身ですので・・・」
「そう言わずに。」
差し出された箱と満面の笑み。それに勝てるではなかった。
「では・・・
開けても宜しいですか?」
「あぁ。勿論だ。」
開けてみると、そこには小さな銀時計。
「ネックレス型の銀時計ですか?」
「時計としての機能はないがな。
開けてみるといい。」
大総統に言われ、はネックレスを手に取り、中を開いて見せる。
「写真・・・」
「これぐらいしか思いつかなくてね。」
開けてみるとロケット型になっていて、そこには写真が入っていた。
「この写真は・・・?」
中に入っていた写真は、が軍に入って直ぐにロイとヒューズと撮った写真が入っていた。
「ヒューズ中佐にお願いしてね。写真を貰ったんだ。」
「閣下・・・ありがとうございます。」
嬉しそうな笑みを浮べ、は大総統にお礼を言った。
「いや、私の方も君が喜んでくれて嬉しいよ。」
「大切に使わさせて頂きます。」
キャッチを手に取り、ネックレスを首に下げる。
「・・・似合いますか?」
ハイネックのシャツの上に光る銀時計。
大総統も嬉しい笑みを浮べた。
「よく似合うよ。君。」
「ありがとうございます。」
何時もとは違う、歳相応の満面の笑み。
「やはり、君はそういう笑いの方が似合うな。」
「え?」
「何時もはピリピリとした空気が君の周りを包んでいるみたいでね。
その歳で中佐まで登りつめただけの事はあるが、少しは周りを頼らないとな。」
「・・・そうですね。自分でも自覚はしているんですがどうも・・・」
確かに軍部内では大人っぽく振舞うのが当たり前となっている。
「辛い時は私に言いなさい。少しでも役に立つから。」
「はい。」
そうして暫く、他愛の無い世間話に花を咲かせているのだった。
「あ、もうこんな時間だ・・・」
時間を忘れ、話し込んでいた。
時計を見ると3時を過ぎていた。
「閣下・・・すみません。私はこれで・・・」
「そうか・・・今度は美味しい紅茶の店にでも行こう。」
「はい。是非に。」
そう言うと、は部屋を後にした。
「そういや・・・今日俺の誕生日だったけ。」
列車の中、流れる景色の中は呟いた。
「ただいまぁ・・・」
家に帰る頃には周りもすっかり暗くなっていた。
「!!お帰り!!」
家に入るや否や、エドが抱きついてきた。
「あれ?エド。何で居るの?」
「今日はお前の誕生日だろ?だから着たんだよ。」
少しムスッとするエド。
「ほら、早くしろよ。」
「ちょ・・・エド・・・」
腕を引っ張られ、はリビングに連れて行かれた。
『Happy Birthday!!』
クラッカーの音と共に皆の声が聞こえた。
「リザ姉・・・ハボック少尉・・・ファルマン准尉にパパ・・・皆祝いに来てくれたのか?」
「そうよ。ちゃんの誕生日だもの。皆でお祝いしたいでしょう?」
リザがグラスを片手にの傍に来た。
「リザ姉・・・」
「中佐!誕生日おめでとうございます!」
「ハボック少尉・・・ありがとう。」
「レイ。誕生日おめでとう。」
「さんきゅ、アルvV」
「大総統閣下のプレゼントは気に入ったか?。」
の頭を撫でながらヒューズは聞いた。
「勿論。気に入るに決まってるだろ?」
「大変だったんだぞ〜〜〜。『君は何が好きか?』とか色々聞かれてさぁ・・・」
「あははははは」
ヒューズの言葉に苦笑する。
「中佐、誕生日おめでとうございます。」
そう言ってファルマンはプレゼントを渡した。
「ファルマン准尉・・・」
「女性に何を送ればいいかわからなくて・・・」
「祝っても貰えるだけで嬉しい。」
渡された紙袋を抱えて微笑む。
「准尉、抜け駆けだぞ?」
「抜け駆けって・・・ι」
「私が最初にあげようと思っていたのに。」
「中尉までι」
他の者から色々と言われ、冷や汗をかくファルマン。
「よし、一区切りついた所で乾杯といくか。」
すでに握られたグラスを高々と上げるロイ。
「んじゃ、今日の主役、から何か一言。」
ヒューズに背中を押され、は中央に立った。
「え・・・ん〜〜・・・今日はありがとな。
自分でも誕生日忘れてたから凄く嬉しい。
本当にありがとう。乾杯!!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
明るい声と笑い声が入り混じり、の誕生日会(?)が始まった。
「ん〜〜〜・・・もう飲めませんよ・・・中佐・・・」
「何の夢を見てるんだよ・・・ι」
飲み疲れた為か、ハボック・ファルマンがダウン。
「、ちょっといいか?」
「ん?」
手招きをするエドの後に付いて行った。
「どうしたんだ?エド。」
「こっちこっち。」
そう言ってエドは家の外に出て行った。
「ほら。」
エドは上を指差した。
「うわ・・・綺麗・・・」
空には満天の星空。
「暫く星なんて眺めてなかったなぁ・・・」
「リゼンブールの方がもっと綺麗に見えるんだけどな。」
そう言って少し苦笑を浮べるエド。
「それとこれ。」
エドはポケットから一つの箱を取り出した。
「俺からの誕生日プレゼント。ありきたりだけど。」
中に入っていたのはゴールドの指輪。それに、小さいエメラルドの宝石が埋め込まれていた。
「エド・・・」
「ありきたりだろ?しかもペアーで。」
左手の手袋を外した下には同じ指輪が嵌められていた。
「ありがとう・・・エド。」
の手に持っていた指輪を手に取り、エドは左手の薬指に嵌めた。
「これからもずっと一緒に居ような。。」
「勿論。」
冷たく、機械の腕。でも今日は少しだけ温かみを感じただった。
FIN
おまけ
ロイ『・・・やっぱり良い所を持っていくのは鋼のなんだな・・・』
リザ『仕様がないじゃないですか。』
ヒューズ『そうそう。恋人同士なんだからな。』
アル『・・・僕も彼女欲しいなぁ・・・』
あとがき
水無月:やってきました。ちゃん誕生日企画!!
:その前に他のキャラのBirthday小説かけよ。それと、混合小説も。
てか、その台詞は普通に前ふりだろ。
水無月:(グサ!!)・・・言葉に槍が痛いわぁ〜〜〜。
:・・・本当の事だろ?
水無月:まぁ・・・そうだけど・・・
:認めたよ・・・ι
水無月:そういや、他の人からは何貰ったんだ?
:他って?
水無月:リザさんと、ハボックと、ファルマンとヒューズとロイ。
:えっと・・・
アルからは猫の人形。
リザ姉からは女物の服。『今度一緒に買い物しましょうね』っていう言葉付きで。
ハボック少尉からはジッポのライター。
ファルマン准尉からは、手袋とマフラーのセット。『寒さに弱いですから』って理由で。
パパからは紅茶。
兄貴からは化粧道具一式と、香水。『お前も年頃なんだから・・・』だってさ。
水無月:これで俺と同い年になったんだなぁ・・・
:水無月今年で19だもんな。
水無月:ちゃんもな。さて・・・どっちが先に歳をとっていくか・・・
:そりゃ水無月だろ?
水無月:そうだけどさぁ・・・ι
:俺、作中ではまだ18だからvV
水無月:・・・若さが羨ましい・・・
:19の女が言う台詞じゃねぇ・・・
(オチも無く終了。)
Happy Birthday!in F.A
風も段々と冷たくなってきた12月。そんな日に独りの少女の悲鳴が響き渡った。
「のわ〜〜〜!!」
自室をジタバタジタバタと駆け回る少女、・マスタング中佐。焔の錬金術師、ロイ・マスタングの妹。
「遅刻する〜〜〜!!!」
昨夜遅くまで研究に没頭していたは急いで身支度を整えた。
「兄貴!おはよう!!」
「おはよう。。
お前が寝坊するなんて珍しいな。」
先に起きていたロイは、朝食の準備をしていた。
「まぁな・・・
っと、早く行かなきゃ。」
「?今日は何処かに出かけるのか?」
「あぁ。大総統閣下から直々に『中央に来るように』って電話が入ったんだ。
・・・俺なにかしたかなぁ?」
そんな事を思いつつ朝のコーヒーを啜る。
「何も無かったら呼び出しなんて去されないだろう?」
「そうだけどさ・・・何か怖い・・・」
行きたくないなぁ・・・そんな事を呟く。
「で、列車の時間は調べてあるのか?」
「あぁ。9時30分の列車に乗れば余裕で間に合う。」
ロイはふと掛け時計を見つめた。
「・・・、今の時間ちゃんとわかっているのか?」
「9時前だろ?部屋で見たし・・・」
ロイに言われ、も掛け時計を見た。
その瞬間、彼女の顔色が変わった。
「9時過ぎてるし!!しかも30分近い!!」
また慌しく準備を始める。
そんなに呆れ、ロイは溜め息を吐いた。
「兄貴!行って来るな!!」
「早めに帰って来いよ。」
「わかってる!!」
は慌しく家を出て行った。
「・・・彼奴、今日が自分の誕生日だって事憶えていないのか?」
そんな疑問はには届かなかった。
お昼前に中央司令部についた。
「どうにか時間までには間に合った・・・ι」
駅から全速力で走ったはかなり息が上がっていた。
落ち着く為何回か深呼吸した後、は大総統の執務室に足を向けた。
部屋の前に着き、は数回ノックをした。
「・マスタングです。」
「おぉ、待っていたよ。入りたまえ。」
中から大総統の声がし、は控えめに扉を開けた。
「失礼します・・・」
何故呼び出されたか訳が解からず躰が強張る。
「そんなに緊張しなくてもいい。
さ、掛けたまえ。」
「はい。」
緊張も解けぬまま、はソファーに腰を下ろした。
「紅茶で良いかな?」
「あ、お気になさらずに。」
「いやいや、君の好きな紅茶が手に入ってね。是非飲んで貰いたいんだ。」
「では・・・お言葉に甘えて。」
満面の笑みで言われ、はそれ以上何も言えなかった。
暫くすると、大総統自ら紅茶を入れてきた。(ぇ
「さ、飲みたまえ。」
「はい。」
勧められた紅茶を一口、口に含む。
「美味しい。」
「良かった。喜んで貰えて光栄だ。」
「いえ・・・閣下も紅茶がお好きなんですか?」
前回も、今回も美味しい紅茶では聞いた。
「あぁ。私も紅茶通でね。目が無いんだ。」
ハハハと声をあげながら笑う大総統。
「今日は・・・何のご用件があって私をお呼びに・・・?」
訳も解からずまま、此処に居る事を疑問に思ったのか、は聞いた。
「憶えていないのかね?」
「いえ・・・私、何かしたでしょうか?」
不安げな目で大総統を見つめる。
「父の日にプレゼントを貰っただろう?
そのお返しがしたくてね。」
その言葉にはハッとした。
父の日のプレゼントをあげた時に、大総統が『誕生日、楽しみにしたまえ』と言った言葉を。
「そんな・・・いいですよ。(それにあの企画考えたの水無月だし・・・ι)」
そう遠慮がちには言った。
そこで引くような大総統ではない。(ぇ
「いやいや、受け取って欲しいんだ。
私が選んだ物だから君の趣味に合うかどうか・・・」
そう言ってに手渡したのは長い箱。
「そんな・・・私は閣下にお世話になっている身ですので・・・」
「そう言わずに。」
差し出された箱と満面の笑み。それに勝てるではなかった。
「では・・・
開けても宜しいですか?」
「あぁ。勿論だ。」
開けてみると、そこには小さな銀時計。
「ネックレス型の銀時計ですか?」
「時計としての機能はないがな。
開けてみるといい。」
大総統に言われ、はネックレスを手に取り、中を開いて見せる。
「写真・・・」
「これぐらいしか思いつかなくてね。」
開けてみるとロケット型になっていて、そこには写真が入っていた。
「この写真は・・・?」
中に入っていた写真は、が軍に入って直ぐにロイとヒューズと撮った写真が入っていた。
「ヒューズ中佐にお願いしてね。写真を貰ったんだ。」
「閣下・・・ありがとうございます。」
嬉しそうな笑みを浮べ、は大総統にお礼を言った。
「いや、私の方も君が喜んでくれて嬉しいよ。」
「大切に使わさせて頂きます。」
キャッチを手に取り、ネックレスを首に下げる。
「・・・似合いますか?」
ハイネックのシャツの上に光る銀時計。
大総統も嬉しい笑みを浮べた。
「よく似合うよ。君。」
「ありがとうございます。」
何時もとは違う、歳相応の満面の笑み。
「やはり、君はそういう笑いの方が似合うな。」
「え?」
「何時もはピリピリとした空気が君の周りを包んでいるみたいでね。
その歳で中佐まで登りつめただけの事はあるが、少しは周りを頼らないとな。」
「・・・そうですね。自分でも自覚はしているんですがどうも・・・」
確かに軍部内では大人っぽく振舞うのが当たり前となっている。
「辛い時は私に言いなさい。少しでも役に立つから。」
「はい。」
そうして暫く、他愛の無い世間話に花を咲かせているのだった。
「あ、もうこんな時間だ・・・」
時間を忘れ、話し込んでいた。
時計を見ると3時を過ぎていた。
「閣下・・・すみません。私はこれで・・・」
「そうか・・・今度は美味しい紅茶の店にでも行こう。」
「はい。是非に。」
そう言うと、は部屋を後にした。
「そういや・・・今日俺の誕生日だったけ。」
列車の中、流れる景色の中は呟いた。
「ただいまぁ・・・」
家に帰る頃には周りもすっかり暗くなっていた。
「!!お帰り!!」
家に入るや否や、エドが抱きついてきた。
「あれ?エド。何で居るの?」
「今日はお前の誕生日だろ?だから着たんだよ。」
少しムスッとするエド。
「ほら、早くしろよ。」
「ちょ・・・エド・・・」
腕を引っ張られ、はリビングに連れて行かれた。
『Happy Birthday!!』
クラッカーの音と共に皆の声が聞こえた。
「リザ姉・・・ハボック少尉・・・ファルマン准尉にパパ・・・皆祝いに来てくれたのか?」
「そうよ。ちゃんの誕生日だもの。皆でお祝いしたいでしょう?」
リザがグラスを片手にの傍に来た。
「リザ姉・・・」
「中佐!誕生日おめでとうございます!」
「ハボック少尉・・・ありがとう。」
「レイ。誕生日おめでとう。」
「さんきゅ、アルvV」
「大総統閣下のプレゼントは気に入ったか?。」
の頭を撫でながらヒューズは聞いた。
「勿論。気に入るに決まってるだろ?」
「大変だったんだぞ〜〜〜。『君は何が好きか?』とか色々聞かれてさぁ・・・」
「あははははは」
ヒューズの言葉に苦笑する。
「中佐、誕生日おめでとうございます。」
そう言ってファルマンはプレゼントを渡した。
「ファルマン准尉・・・」
「女性に何を送ればいいかわからなくて・・・」
「祝っても貰えるだけで嬉しい。」
渡された紙袋を抱えて微笑む。
「准尉、抜け駆けだぞ?」
「抜け駆けって・・・ι」
「私が最初にあげようと思っていたのに。」
「中尉までι」
他の者から色々と言われ、冷や汗をかくファルマン。
「よし、一区切りついた所で乾杯といくか。」
すでに握られたグラスを高々と上げるロイ。
「んじゃ、今日の主役、から何か一言。」
ヒューズに背中を押され、は中央に立った。
「え・・・ん〜〜・・・今日はありがとな。
自分でも誕生日忘れてたから凄く嬉しい。
本当にありがとう。乾杯!!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
明るい声と笑い声が入り混じり、の誕生日会(?)が始まった。
「ん〜〜〜・・・もう飲めませんよ・・・中佐・・・」
「何の夢を見てるんだよ・・・ι」
飲み疲れた為か、ハボック・ファルマンがダウン。
「、ちょっといいか?」
「ん?」
手招きをするエドの後に付いて行った。
「どうしたんだ?エド。」
「こっちこっち。」
そう言ってエドは家の外に出て行った。
「ほら。」
エドは上を指差した。
「うわ・・・綺麗・・・」
空には満天の星空。
「暫く星なんて眺めてなかったなぁ・・・」
「リゼンブールの方がもっと綺麗に見えるんだけどな。」
そう言って少し苦笑を浮べるエド。
「それとこれ。」
エドはポケットから一つの箱を取り出した。
「俺からの誕生日プレゼント。ありきたりだけど。」
中に入っていたのはゴールドの指輪。それに、小さいエメラルドの宝石が埋め込まれていた。
「エド・・・」
「ありきたりだろ?しかもペアーで。」
左手の手袋を外した下には同じ指輪が嵌められていた。
「ありがとう・・・エド。」
の手に持っていた指輪を手に取り、エドは左手の薬指に嵌めた。
「これからもずっと一緒に居ような。。」
「勿論。」
冷たく、機械の腕。でも今日は少しだけ温かみを感じただった。
FIN
おまけ
ロイ『・・・やっぱり良い所を持っていくのは鋼のなんだな・・・』
リザ『仕様がないじゃないですか。』
ヒューズ『そうそう。恋人同士なんだからな。』
アル『・・・僕も彼女欲しいなぁ・・・』
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あとがき
水無月:やってきました。ちゃん誕生日企画!!
:その前に他のキャラのBirthday小説かけよ。それと、混合小説も。
てか、その台詞は普通に前ふりだろ。
水無月:(グサ!!)・・・言葉に槍が痛いわぁ〜〜〜。
:・・・本当の事だろ?
水無月:まぁ・・・そうだけど・・・
:認めたよ・・・ι
水無月:そういや、他の人からは何貰ったんだ?
:他って?
水無月:リザさんと、ハボックと、ファルマンとヒューズとロイ。
:えっと・・・
アルからは猫の人形。
リザ姉からは女物の服。『今度一緒に買い物しましょうね』っていう言葉付きで。
ハボック少尉からはジッポのライター。
ファルマン准尉からは、手袋とマフラーのセット。『寒さに弱いですから』って理由で。
パパからは紅茶。
兄貴からは化粧道具一式と、香水。『お前も年頃なんだから・・・』だってさ。
水無月:これで俺と同い年になったんだなぁ・・・
:水無月今年で19だもんな。
水無月:ちゃんもな。さて・・・どっちが先に歳をとっていくか・・・
:そりゃ水無月だろ?
水無月:そうだけどさぁ・・・ι
:俺、作中ではまだ18だからvV
水無月:・・・若さが羨ましい・・・
:19の女が言う台詞じゃねぇ・・・
(オチも無く終了。)
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